奈良有名専門店会 × 奈良女子大学

2019.12.11

日本酒が恋しい季節 奈良豊澤酒造さんへ

今回は、明治元年創業、150年を超える歴史を持つ奈良豊澤酒造さんで、日本酒造りの見学をさせていただきました。

  

これからの寒い季節には日本酒が恋しくなりますよね。

日本酒造りの向いている時期というのも、11月から冬を越した3月までの期間とのことです。

新米を長期低温発酵することによってつくられていきます。

 

奈良豊澤酒造さんによると、日本酒造りはお料理と似ているそう。

原材料のブドウの良し悪しがそのまま味に出やすいワインと違い、いい原材料を使ったからといって、必ずしも美味しいお酒になるとは限らないのが日本酒だそうです。今回は、お米から日本酒ができるまで、一つ一つの工程のこだわりを教えていただきました。

 

さて、気になる日本酒の製造工程ですが、近代醸造法の基礎となる酒造技術が確立された地こそ、奈良豊澤酒造さんが蔵を構える、ここ奈良県奈良市だそうです。時代を遡り室町時代、それまで酒と言えば濁り酒でしたが、奈良市の正暦寺にて清酒の製造方法が開発され、その後全国の寺へと広まり、現代の日本酒造りの礎がつくられました。ひとつの工程も変わることなく受け継がれてきた技術ということに驚きました。

 

  原材料は、米、米麹、水、酵母です。

日本酒造りに使われるお米は、「酒造好適米」といい、タンパク質や脂質の含有量が少なくなっています。

お酒造りにとっては、これらの成分は雑味になってしまうからだそう。

さらに、お米は中心部(芯白)に近づけば近づくほど純粋なデンプン質となるため、外側の削る割合によって味わいが変わっていきます。

奈良豊澤酒造さんの「大吟醸豊祝」は、外側を65%削ったお米で造られており、ほとんどデンプン質のため贅沢に米の旨みと香りを味わうことができます。

ちなみに、お米を削って出てきたぬかは、堆肥、米粉、化粧品等に生まれ変わり、無駄のない製造業となっています。

 

  こちらは、「麹室(こうじむろ)」です。

蒸したお米に麹菌を繁殖させ、麹を造っていきます。奈良豊澤酒造さんでは、お酒の種類によって、造る麹の具合も変えているとのことで、こだわりが詰まった部屋です。

 

  こちらでは、酒母造りがおこなわれています。

アルコール発酵を担う酵母を大量に培養したものが酒母です。蒸米、水、先程の麹に酵母を加えて造られます。

繊細な管理が必要となる大変な工程です。

 

  いよいよ、こちらで発酵がおこなわれていきます。

酒母に水、麹、蒸米を3回に分けて入れて仕込み、醪を造ります。その醪を約3週間かけてじっくりと発酵させていくのです。

ぷくぷくと泡がみえるのは、酵母が呼吸をしているからだそう。もうすぐ美味しい日本酒の出来上がりです。

 

  最後にこちらの機械でゆっくり圧力をかけて日本酒が搾られます。

  なんと、搾りたての日本酒を試飲させていただきました。

フルーティーな香りと、喉にくっとくる味わい、こんなにもすっきりとしたお酒をいただくのは初めてでした。

 

お酒を普段飲まれない方でも、奈良豊澤酒造さんによると、「和らぎ水」といい、お酒を飲みながら合間にお水を飲むと、酔いが急激にまわらず、マイペースに飲みやすいとのことです。幅広い温度帯で楽しめるのも日本酒の魅力ですね。

奈良豊澤酒造さんのお酒は、近鉄奈良駅、西大寺駅、難波駅、JR天王寺駅の駅構内の直営店の立ち飲み処でも頂くことができます。

美味しい料理と美味しい日本酒、素敵です。丁寧に造られたこだわりのお酒を、ぜひご賞味ください。

 

 

奈良豊澤酒造様、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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